災害に強いまちづくりを実現するマンホールトイレとは2025.08.06

災害に強いまちづくりを実現するマンホールトイレとは 世界の中でも地震が非常に多いとされている日本。
内閣府によると世界で発生しているマグニチュード6.0以上の地震のうち、およそ20%が日本で発生しているとされています。

マグニチュード6.0以上の地震回数

出典:「内閣府防災情報のページ 災害を受けやすい日本の国土 第1章我が国の災害の状況」(国土交通省)
(https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h18/bousai2006/html/honmon/hm01010101.htm) (2025年8月6日に利用)

 

 

一方で、災害は地震だけではありません。
近年気候変動により増加してきたゲリラ豪雨や、それらによってもたらされる土砂災害など、私たちの身近なところに災害は潜んでいます。

災害時の対策としてよく耳にするのは、食料や生活必需品などの災害備蓄品があります。
市区町村等の自治体でも災害備蓄品として備蓄倉庫を構えるなどの動きが進んできています。

 

しかし、備蓄のみで災害対策は十分でしょうか。

2011年の東日本大震災や2018年の西日本豪雨、2024年の能登半島地震では、災害発生後にトイレが使用できなくなり、衛生環境の悪化や健康被害などが課題となりました。
そのような状況を鑑みて、東京都では2025年3月に「東京トイレ防災マスタープラン」を策定しました。


災害用トイレの確保や整備の促進が始まっています。

 

アロン化成では、避難所となる学校や庁舎、公園、マンションなどの民間施設等に施工可能な災害用トイレ排水システム(マンホールトイレ)を開発しております。
こちらのコラムでは、実際に災害時に活躍するマンホールトイレについて説明いたします。

災害に強いまちづくりの実現のためにご活用ください。

目次 ※項目をクリックすることで移動が可能です。

 

マンホールトイレとは

災害用トイレシステムは、学校や庁舎、公園、マンションの敷地内などの人が集まる場所に設置可能な災害用トイレです

マンホールトイレとは、下水道管のマンホールの上に便座と簡易的な囲いを設置してすぐに使用できる災害用トイレの1種です。

マンホールトイレとして使用できるように事前に整備する必要はありますが、下水本管へそのまま汚物を流すことができ、簡易トイレ等で必要となる凝固剤を使用した後処理も必要ないため、通常の水洗トイレに近い環境で衛生的に使用することが可能です。

 

また、仮設トイレなどと比較して出入り口に段差がないため、幅広い方にご使用いただくこともできます。

 

 

流下型と貯留型のちがい

マンホールトイレは、し尿を

・直接下水本管に流す本管直結型

・直接下水本管に溜め流しを行う流下型

・貯留槽に貯める貯留型

の3つに分けることができます。

 

本コラムでは、アロン化成が開発している流下型と貯留型の特長をご紹介いたします。

 

 

流下型について

流下型災害用トイレ排水システムの図
流下型災害用トイレ排水システム

流下型の特長は、シンプルで低コストな設計であることです。
一時的に管内に溜めた後、下水本管に溜め流しを行います。

下水本管や下水処理場が耐震化されているエリアでは、流下型のシステムにすることで、低コストで災害用トイレのシステムを整備することが可能です。

 

 

貯留型について

貯留型災害用トイレ排水システムの図
貯留型災害用トイレ排水システム

貯留型は、災害貯留槽が含まれたシステムです。

貯留槽へ一定期間貯留することが可能となるため、下水本管の破損や下水処理場が機能を停止した場合でも復旧するまでの間、安心して使用することができます。

 

アロン化成では、誰でも簡単に管路切替が可能な切替マスを開発。

 

切替マス(横型)

切替マス(横型)

切替マス(縦型)

切替マス(縦型)

 

下水本管への管路と貯留槽への管路をすぐに切替することが可能な貯留型システムとなっており、施工場所や環境を含め様々なケースに柔軟に対応できるシステムとなっています。

 


切替マス製品紹介ページバナー

 

アロン化成が考える災害用トイレ排水システム

災害用トイレの「衛生」と「安心」を実現するために、弊社では下記の観点を追求して製品開発を行なっております。

 

【流下性】いかにトイレ機能を維持するか

 

【防臭性】いかに衛生的なトイレ空間を維持するか

 

【安全性】いかに利用者の安全面に配慮するか

いかにトイレの排水先を確保するか

 

【経済性】いかに多くの選択肢をご提供できるか

 

それぞれの観点が製品開発に取り入れられています。
例えば、【防臭性】の観点。
過去に被災地でマンホールトイレを使用した方々からいただいた声を参考に、弊社では洋式トイレ用および小便器用の防臭ふたを開発し、販売しております。

また、【流下性】と【安全性】の観点において、誰でも簡単に安心して運用ができるシステムを目指しております。
そのために、アロン化成の災害用トイレ排水システムは、水門マス等の関連部材を含めて軽くて丈夫なオール塩ビ製で作られています。

 

 

アロン化成の災害用トイレ排水システムは、大小様々な規模に対応可能となっております。
マンホールトイレの基数や使用人数によって最適なご提案が可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

お問い合わせ(別タブで開きます)

弊社製品の関連動画(流水実験・防臭ふた紹介動画)

弊社の災害用トイレ排水システムの【流下性】および【防臭性】に関しては、実際に実験を行った動画がありますので、下記よりご参照ください。

マンホールトイレ「E-WCシステム」流水実験
マンホールトイレに防臭機能を付加「マンホールトイレ用防臭ふた」製品紹介動画

避難所のトイレ問題と解決策をまとめた資料

さらに詳しく避難所のトイレ問題と解決策をまとめた資料を配布しております。

下記リンク先のページに資料の詳細を記載しております。

今後の設備導入の検討材料としてもご活用ください。

(下記ボタンをクリックすると、別タブで資料ページが開きます)

 

 

【資料】避難所のトイレ問題と解決策