下水道管路老朽化問題を短工期・低コストで解決するには2025.08.21

下水道管路老朽化問題を短工期・低コストで解決するには?

近年、ニュースでも話題になっている道路陥没の事故。
中でも下水道管路の老朽化が原因の道路陥没事故は、年間で約2600件(令和4年度)発生しています。
近年では対策が実施されるようになったため、年々陥没事故は減少傾向にはありますが、下水道管路の標準耐用年数は50年と言われており、耐用年数前後になると陥没事故が発生しやすくなります。

 

下水道管路の老朽化が起因の道路陥没事故の件数

出典:「下水道の維持管理 ストックマネジメントの推進」(国土交通省)
(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html) (2025年7月22日に利用)


国土交通省によると、今後は急速に耐用年数を超えた管路が増加していくとされており、令和25年には約21万km分の管路が標準耐用年数を迎えるとされています。

 

布設年度別の管路管理延長

出典:「下水道の維持管理 ストックマネジメントの推進」(国土交通省)
(https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html) (2025年7月22日に利用)

 

 

さらに、下水道管路の老朽化は、不明水の原因にもなります。
※不明水:何らかの原因で管路に浸入する雨水や地下水のこと
昨今では豪雨災害も増加しており、豪雨時に不明水によって排水能力を超えた水が管路を流れた場合にマンホールから汚水の氾濫が発生したり、トイレが使用できなくなるなどの影響が発生する可能性があります。

こちらのページでは、そんな下水道管路老朽化の問題をどのように対策していけば良いかをご紹介いたします。

 

 

目次 ※項目をクリックすることで移動が可能です。

 

 

下水道管路起因の道路陥没の一連の流れと主な要因箇所

下水道管路の老朽化が原因の道路陥没事故は、簡易的に表現すると下記のような流れで発生いたします。

  1. 主に老朽化によって陶管やヒューム管(コンクリート管)が一部破損
  2. 破損箇所から管内へ土砂が流入
  3. 元々土砂が存在していた部分が空洞となり、陥没が発生

といった流れです。

老朽化によって管路が破損し、管内へ土砂が流入。土砂が存在していた部分が空洞になることで陥没が発生します。
老朽化による道路陥没の流れ

では、下水道管路の中でどの箇所の損傷が多いのでしょうか。
国土交通省国土技術政策総合研究所の資料によると、約53%が取付管部分となっています。
取付管部分とは、家庭などに取り付けられている公共マスと下水道本管を接続する管を指します。

 

その次に多いのが下水道本管の損傷(約15%)、そして下水道本管と取付管の接合部分(約8%)、取付管とマスの接合部(約5%)となっています。
下水道管路起因の道路陥没の約67%は取付管に関わる箇所の損傷により発生しています。

 

公共マスから下水道本管までの概略図
下水道管路施設に起因する道路陥没のうち、原因施設がどこかを示したグラフ
出典:「下水道管路施設に起因する道路陥没の現状(2006-2009 年度)」(国土技術政策総合研究所) (https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0668.htm) (2025年7月22日に利用)

下水道管路補修工事の現状課題

損傷等のある下水道管路を補修する際、早急な原状復帰が求められます。また、多くのコストがかかる場合があります。
工事期間中は交通整理も必要となり、場合によっては渋滞の発生要因となることもあります。

理由は様々ですが、下記のような課題が一例として挙げられます。

◆損傷箇所を含めて管路を全て取り替えるために工期が長くなり、時間もコストもかかってしまう
◆接合剤の養生時間がかかり、原状復帰に時間がかかる
◆ヒューム管を交換するために大型重機による施工が必要になり、大型重機のコストもかかる

 

このように施工に時間やコストがかかる一方で、耐用年数を迎える管路は増えていきます。
今後はより多くの管路補修を短工期で実施する必要が出てくると予測されますが、施工品質を担保しつつコストを抑えて短工期で補修を完了するにはどうしたら良いでしょうか。

 

 

下水道管路補修工事を短工期・低コストにするために

これまで既設管路を補修するには、管路を全て取り替える場合がほとんどでした。
しかし、現在は部分補修の考え方も広がりつつあります。
部分補修を行うことで、工期を短縮でき、部材も損傷箇所のみの補修となるために費用を抑えることもできます。
例えば、損傷した陶管の一部を塩ビ管で補修する方法を下記に記載します。

 

 

損傷した陶管の一部を塩ビ管に変える手順の簡易説明①赤枠で囲んだ陶管部分に損傷が見られます。

②陶管を外し、塩ビ管を設置します。
このとき、ヤリトリ※1が可能なゴム輪が採用されている製品を使用すると、地獄配管※2でも施工することが可能です。

※1 ヤリトリとは・・・配管施工において配管の長さや位置を調整し、正確な接続を可能とすること。

※2 地獄配管とは・・・配管工事の際に管の接続や取り外しが困難となる状況のこと。

 

③設置すると、補修が完了します。

アロン化成では、ゴム輪によりヤリトリが可能な製品や芯出しが行いやすいテーパー構造を採用した製品など、誰でも簡単に施工ができる製品や短時間で施工可能な製品を多数ご用意しております。

 

ぜひ、お気軽にご相談ください。

 

 

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下水道管路補修システムの導入事例

下水道管路補修に関連した製品の導入事例を複数掲載しております。

実際に施工前後の様子等写真で掲載しておりますので、ご参照ください。


継手(製品:VHC-R)



支管(製品:HAM-QE)


別府市上下水道局さま試験施工事例


コンクリートます補修立管(製品:MRS)


南陽市さま施工事例


大分市さま施工事例


いなべ市さま施工事例

 

 

 

下水道管路老朽化に関する対策をまとめた資料

下水道管やコンクリート製ますの老朽化や不明水の対策方法に関して、さらに詳しく説明した資料をご用意しております。

下記リンク先のページに資料の詳細を記載しております。

管路の老朽化やコンクリートますの老朽化でお悩みの方、ぜひご活用ください。

(下記ボタンをクリックすると、別タブで資料ページが開きます)

 

 

【資料】下水道管路の老朽化対策