取付管補修工法に革新「ヒューム管・陶管用QE支管」2024.10.15

台風で被災した弊社工場の様子

下水道の老朽化と課題について

下水道は都市の生活にとって欠かせないインフラですが、その老朽化は深刻な問題となっています。
持続的な下水道機能確保のため、計画的な維持管理・改築事業の実施が必要になります。

国土交通省によると、令和3年度末の時点での日本の下水道の総延長約49万kmのうち、標準耐用年数50年を経過した下水道は約3万Km(総延長の約6%)もあります。
また、耐用年数を超過した下水道は令和13年には約9万km(総延長の約18%)、令和23年には約20万km(約40%)と今後は急速に増加していきます。

国⼟交通省「下水道の維持管理」によると下⽔道管路に起因する道路陥没は令和3年度で約2,700件発⽣しており、そのうち取付管起因の陥没事故が約6〜7割であり、下⽔道取付管補修⼯事が急務となっています。

国⼟交通省「下水道の維持管理」グラフ

グラフ出典:下水道の維持管理(国土交通省ホームーぺージ)

下水道取付管補修工事の課題

近年、下⽔道取付管補修⼯事が増加傾向の中、排⽔制限の短縮や安全性の確保などから即⽇復旧が求められております。
弊社へも⼯事の省⼒化‧⼯期短縮のご相談を多くいただき、スピード施⼯が可能で安定的な品質を確保できるメカニカルな⽀管のご要望を数多くいただいておりました。
しかし、下⽔道管路に多く使⽤されているヒューム管‧陶管への取付管補修⼯事現場には下記特有の課題があります。

  • 撤去後の孔径がバラバラで孔が大型化することもあります

    既設支管を撤去すると、取付け孔の大型化・不均一化が生じます。
    既設管の工事状況にも困るため、現場毎バラバラです。

    撤去後の孔径がバラバラ
  • 本管の管厚が現場毎にバラバラ

    ヒューム管・陶管は、管厚の寸法公差が大きい管種です。
    また内面更生後の総管厚は現場毎に異なり、事前把握も困難です。

    本管の管厚が現場毎にバラバラ
  • 管路の下にコンクリート基礎があり番線が巻けません

    ヒューム管・陶管は「コンクリート基礎」が基本です。
    管底まで掘削しても、番線が巻けない場合は、支管の圧着が困難です。

    管路の下にコンクリート基礎が

ヒューム管・陶管用QE支管の特長

これらの課題を解決する製品として、アロン化成は「ヒューム管・陶管用QE支管」を開発しました。
番線レスを図り、大型固定ツメとワイヤー巻取り構造の本体に、あえて接合剤仕様を採用したことでヒューム管・陶管への取付管補修工事の「品質と施工スピードの両立」を実現しました。

番線を使わない施工が可能です
施工イメージ
管表面の凹凸に対応します
接着イメージ"

番線を使わないメカニカル構造と接合剤による圧着施工により、不明水対策に効果的です。

大型固定ツメ採用により
大型・不均一な補修後の孔に対応
が可能です
補修後の孔イメージ
ワイヤー巻取り構造により
管厚のバラつきや管更生後の管厚変化
に対応します
管更生後の管厚変化イメージ"

補修現場特有の課題に柔軟に対応し施工のスピードアップが図れます。